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その昔、ペプシの台頭に脅威を感じたコカコーラは
一度だけコーラの味を変えたことがある。
ロドリゴ・ゴイズエタという最高幹部が「このままではジリ貧」と
危機感を持って改革に挑んだわけだが、
結論からいうとこれは大失敗した。
このプロジェクトは「カンザス計画」という名前で秘密裏に進められ、
経営陣は巨費を投じて入念なマーケティングを行い、
その市場調査の結果、フレーバーを刷新した
「ニュー・コーク」のユーザーの味覚評価は
旧来のコカコーラを上回る、という結論を得た。
手ごたえを感じた経営陣は、旧来のコカコーラを一気に刷新して
ニューコークを大体的に売り出すと発表したが、
この発表を聞いた途端、一般ユーザーは一斉に反発を始めた。
なぜならユーザーはニュー・コークの登場によって
まさか旧来のコカコーラが葬り去られるとは
聞いていなかったからである。
当初は好意的に受け入れられていたニュー・コークの売り上げは
わずか1ヵ月で落ち込み、コカ・コーラ社には「コーラを返せ」
というユーザーの抗議の手紙や電話が殺到する事態に。
不買運動まで拡がってしまった結果、ニュー・コークはペプシに
売り上げでも味覚評価でも敗北するというみじめな結末を迎え、
わずか2ヵ月後には「コカコーラ・クラシック」として
旧コーラを復活させざるを得なかった。
なにが言いたいかというと、ユーザーというのはジャンルを問わず
本来保守的なものであるということ。
そして、ユーザーから「選択を奪う」という商品戦略は
ほとんどの場合失敗するということだ。
今回のアイマス2の件をオタクの処女厨叩きのようにして
ユーザーの嗜好に責任転嫁してしまうと本質を見誤ることになり、
また同じような失敗をどこかで繰り返すことになるだろう。